呼吸器内科
呼吸器内科
呼吸器疾患は、初期症状は軽くても、重大な病気が隠れていることがあります。風邪が治らない、咳が続くなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
息切れは呼吸器疾患(肺や気管支のトラブル)のみでなく、循環器疾患(心臓のトラブル)やその他全身疾患(貧血や筋力不足)など様々な問題で生じるため、多方面からのアプローチが必要です。
当院の3本柱である循環器・呼吸器・リハビリを総合し、息切れ外来として総合的な診療を行います。原因がわからない息切れを抱えていらっしゃる患者様はお気軽にご相談ください。
※フリーコメントに“息切れ外来診察希望”と記載いただけると助かります。
息切れを生じる重要な疾患の一つに気管支喘息(ぜんそく)があります。近年は高齢発症の気管支喘息も増加しており、心疾患と症状が似ていることから循環器・呼吸器の両面からの評価が必要です。また副鼻腔炎などを併発することもあり耳鼻科領域の評価も重要となります。当院では循環器内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科の複数医師体制を活かし、気管支喘息診療に重点的に取り組みます。
気管支喘息は呼吸の通り道である気道(気管、気管支)にアレルギーによる炎症が起こり、「風邪」「季節の変わり目」「寒暖差」などの様々な刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。
(出典:アレルギーiより)
改善と悪化を繰り返すことが特徴で、症状があるときもあればないときもあります。夜間から早朝にかけて悪化することが多く、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、呼吸困難、咳・痰、喉や胸がつまったような症状が起こります。多くは風邪や天候の悪化、季節の変わり目などをきっかけに症状が悪化します。
気管支喘息の診断やコントロール状況、重症度の確認では、問診の他に以下のような検査を行いますが、いずれも当院では即日実施が可能です(アレルギー検査のみ後日結果説明となります。)。
喘息の症状や治療薬の使用状況について確認します。
吐き出す息の量や速度を測定し、気管支がせまくなっているかを調べる検査です。
気道炎症の程度を調べる検査です。喘息コントロールの指標としても有用です。
血液中の好酸球の数やアレルギーの原因物質などを調べる検査です。
必要に応じ、肺疾患(肺炎や肺がんなど)のチェック、心疾患(心不全など)のチェックを行います。
(呼気NO検査、フクダ電子HPより)
当院ではいつでも呼気NOを測定することが可能です。気管支喘息の患者様は気道に好酸球による炎症が生じていますが、この好酸球からNOが多く作られるため、呼気中のNOを測定することで気道炎症の程度を調べることができます。
呼気NOが22ppb以上であれば喘息の可能性があり、37ppb以上であれば喘息である可能性は非常に高いと考えられます。また診断のみでなく、その後の喘息のコントロールの指標としても有効です。
呼気NO検査の詳細はこちらをご参照ください。
咳や痰、呼吸苦や喘鳴などの症状がなくても、水面下ではアレルギー性の炎症や、気管支の伸び縮みが起こっていると考えられており、症状が出ている方は氷山の一角に過ぎません。症状がなくても治療を続け、アレルギー性の炎症を抑え、気道が慢性的に縮こまってしまわないようにすることが重要です。よってこの氷山の基本となる炎症を抑えるための吸入ステロイドが最も基本の治療となります。
また近年、吸入ステロイド薬が効きにくいタイプの喘息があることが分かってきており、生物学的製剤が使用されることがあります。これまでの治療では改善しにくかった重症の喘息患者様であっても効果が得られやすく、使用する経口ステロイド薬や発作回数を減らす効果が期待できます。
喘息の長期的管理として、発作頻度や自覚症状の評価をコントロールの指標とし、喘息コントロールテスト(ACT)をチェックします。また定期的な呼気NO検査によって気道炎症の評価も行います。
アレルギー性鼻炎・結膜炎は、スギ花粉などによって引き起こされる季節性アレルギー(花粉症)と、ダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギーに大別されますが、混在していることもあります。
症状は季節性・通年性のいずれも、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、充血などです。治療としては、原因が特定できる場合は、可能な限り原因の回避と除去(こまめな掃除など)を行います。アレルギー性鼻炎の薬物療法は広く行われており、症状や重症度に応じて抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などを用います。アレルギー性結膜炎では、アレルギー反応を抑える抗アレルギー点眼薬などによって、目のかゆみの症状を改善します。
このようなアレルギー性疾患は、正しい診断と治療で症状の改善が期待できます。つらい花粉症の症状にお悩みの場合、早めに受診されることをおすすめします。また花粉の飛散状況を正確に把握していくことも重要となります。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを舌下錠で少量ずつ体内に取り込み、アレルギー反応が起きにくい体質に改善していく新しい治療法です。スギやダニがアレルゲンと診断されている方が対象となります。薬の量を調整しながら3〜5年の内服を行います。効果は10年ほどとされています。
(鳥居薬品HPより)
なお舌下免疫療法は、気管支喘息(スギやダニをアレルゲンとしたアレルギー性鼻炎合併)の増悪予防ないし軽症化効果、さらには新たなアレルゲン感作を抑制する効果も期待されています。
ただし気管支喘息のコントロールが悪い場合には開始できないため事前の治療が必要です。当院は耳鼻咽喉科医、呼吸器内科医が在籍しており、それぞれの専門の医師が連携して当治療にあたります。他院で治療困難と言われた方や呼吸器の持病のある方についてもお気軽にご相談ください。
舌下免疫療法をご希望またはご質問がある方は、お気軽にご相談ください。
※フリーコメントに“舌下免疫療法の相談希望”とご記載ください。