
循環器内科
循環器内科
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
生活習慣が乱れていると徐々に全身の血管が動脈硬化を起こしてきます。動脈硬化が進行すると体中の様々な血管が狭窄をきたすようになり、放っておくと重篤な病気につながります。よって動脈硬化がひどくなる前に事前に診断し、早期治療介入をすることが重要です。
(対象となる方)
頚動脈エコーは超音波が反射した波から動脈硬化の程度を調べる検査です。超音波を首にあてるだけなので被ばくもなく、非常に簡便な検査です。これにより動脈硬化の早期発見や進行具合がわかります。
・頚動脈の壁の厚みは1.0mm以下が正常です。それ以上頚動脈の壁が厚くなると脳卒中や狭心症などの血管の病気が発症しやすくなります。
・動脈硬化がさらに進行すると、プラークと呼ばれる血管内壁の盛り上がりが生じて、頚動脈が狭くなってきます。
・50%以上に狭くなってくると、脳梗塞発症の危険性が高くなりますので、抗血小板剤(アスピリンなど)による治療を検討します。
参考サイト:動脈硬化net
(対象となる方)
血圧脈波検査では、まず足首と上腕の血圧比を測定し、動脈の狭窄度「ABI」を算出します。健常人では足首の血圧は上腕の血圧よりやや高くなっています(ABIは1.0以上)が、下肢血管の動脈に狭窄や閉塞があると、その部分の血流が悪くなり血圧は低くなります(ABIが1.0未満)。 このことから上腕と足首の血圧を同時に測定することで血管の狭窄の程度がわかります。
ABIの測定と同時に、血管年齢「CAVI」を算出することができます。心臓から腕と足首の血管に到達する脈波のスピードを測定し、血管のふくらみ具合やしなやかさを見ます。CAVIの値は、8.0未満は正常範囲ですが、8.0~9.0は境界域で、9.0より高いと動脈硬化が進んでいると考えられます。年齢と共に増加するため、CAVIの値が9.0未満であっても、血管年齢が高い人は、同じ年齢の人に比べて動脈硬化の進行が早いと考えられます。CAVIの値が9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化を発症していると言われています。
・足の痛みがありかつABIが低下している方は、血管が高度狭窄ないし閉塞している可能性があるため、さらなる精査を行います。
・特に無症状でも血管年齢が高い方は、将来の心血管系のご病気を予防するため、頚動脈エコーその他の動脈硬化のチェックをおすすめさせていただきます。
参考サイト:動脈硬化net
循環器分野はどんどん新しい治療が出てきています。
近年始まった治療として、冠動脈治療(薬剤溶出性ステント、ローターブレーター、ダイヤモンドバック、血管内砕石術、エキシマレーザー)、カテーテルアブレーション(心筋冷凍焼灼術)、リードレスペースメーカ植込み術、弁膜症治療(TAVI:経皮的大動脈弁置換術、MitraClip:経皮的僧帽弁形成術)、経皮的僧帽弁接合不全修復術(Watchmann)、経皮的卵円孔開存閉鎖術、など様々なものがあります。今後もさらに治療の選択肢が増加していくと思われます。
当院は循環器専門クリニックとして皆様お一人お一人にあった治療をご案内し、 より高度な検査や医療の適応と考えられる場合、責任を持って適切な高次医療施設へご紹介し、連携して治療にあたります。