
生活習慣病・健診異常
生活習慣病・健診異常
健康診断で異常があっても特に症状がなく放置されている方は多くいらっしゃると思いますが、様々な病気を早期に発見・治療を始めることのできる絶好の機会です。
特に多いのが、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病です。健康診断で指摘された異常に対応せずにいると、ある日急に「心筋梗塞」や「脳梗塞」といった病気を引き起こすリスクが高まります。症状が無かったとしても、これらを早期から対処することは、将来的に負担が大きい治療を受けたり、深刻な合併症が突然起こって生活に支障が出るというようなリスクを減らすことができます。当院では専門医による丁寧な生活習慣病診療を行います。
また循環器に関する異常(聴診の異常や心電図の異常)、呼吸器に関する異常(胸部レントゲン写真の異常や呼吸機能の異常)も得意としており、高機能心エコー装置や低被曝モード搭載のCTといった先端医療機器もございますので精密な検査が可能です。重篤な疾患が見つかった場合、患者様のご希望に応じて高次医療機関に適切にご紹介致します。
健康診断で異常や要精密検査を指摘された場合の再検査はもちろん、結果に不安がある方、結果を詳しく知りたい方のご相談も受けておりますので、お気軽にご相談ください。
血圧とは血管の壁にかかる圧力を指します。高血圧とは身体的・環境的要因がなくリラックスしている状態においても血圧が常に高い状態のことを言います。一般的に140/90mmHg以上で高血圧と診断します。なお180/110mg以上は重度高血圧、特に拡張期血圧が120mmHg以上では高血圧緊急症・切迫症であり、非常に危険な状態です。すぐにご相談ください。
|
収縮期血圧 |
|
拡張期血圧 |
---|---|---|---|
正常血圧 |
<120 |
かつ |
<80 |
正常高値血圧 |
120-129 |
かつ/または |
<80 |
高値血圧 |
130-139 |
かつ/または |
80-89 |
Ⅰ度高血圧 |
140-159 |
かつ/または |
90-99 |
Ⅱ度高血圧 |
160-179 |
かつ/または |
100-109 |
Ⅲ度高血圧 |
≧180 |
かつ/または |
≧110 |
(単位:mmHg)
血圧は1日の中で変動しています。日中活動時には高く、ゆっくり休むと低くなります。寝ている間が最も低値となります。このような血圧の日内変動があるため、起床後、就寝前の2回の血圧測定を行います。血圧の治療にはご自身の血圧をまず正確に把握することが重要です。
なお特に冬場には1日の血圧が大きく変動します。早朝高血圧は心筋梗塞やくも膜下出血の引き金となることがあり注意が必要です。血圧変動に関する詳細はブログをご参照ください。
高血圧は初期症状がほとんどありませんが、頭痛などが高血圧の人に出やすい症状だと知られています。健康診断や他の病気で受診する時、血圧を測定して判明することが多いです。日本人のおよそ3人に1人は高血圧という状況です。すこしでも可能性があると判断されたらすぐ受診しましょう。
高血圧の90%は特別な原因のない高血圧(=1次性高血圧)であり、塩分過剰などの生活習慣に由来した高血圧です。また高血圧になった人の血縁関係の中に高血圧の方が多いことから遺伝も関係していると考えられています。
残り10%はホルモン異常などの明確な原因のある高血圧(=2次性高血圧)に該当します。
高血圧の初診では、生活習慣病のチェックの他、2次性高血圧の有無についての評価を行います。
高血圧は通常、特に症状が現れないことがほとんどです。しかし、高血圧が悪化すると、動脈硬化が進み、全身の様々な臓器に障害が起こります。
高血圧の治療の目的は、重大な病気の発症を防ぐことです。
治療の基本は食事療法と運動療法で、そのうえで効果が不十分であれば、薬の処方によって治療します。
高血圧の薬物療法では、降圧薬が使用されます。
降圧薬には多くの種類があり、患者の具体的な状況や持病の有無に応じて最適な薬が選ばれます。降圧薬の主な作用は、主に以下のタイプに分けられます。
血管拡張薬や利尿剤などのシンプルな作用の薬から使用することが多いですが、心臓や腎臓の状況に応じて心臓や腎臓の保護を目的として降圧剤を選択します。他の病気を抱えている患者には使用が適さないものもあります。お一人お一人に合った薬を選択することが重要です。
高血圧の診断と治療に関して、さらなる詳細はブログを参照してください。
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。具体的には、「悪玉」のLDLコレステロールや血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えるか、または「善玉」のHDLコレステロールが減った状態を指します。
一般的には下記の基準で診断します。
脂質異常症は、自覚症状がないため自分で気づくことがほとんどない疾患です。多くの場合、健康診断などで異常な数値が見つかり、初めて気づきますが、そのまま放っておいてしまう方が多いのが現状です。
脂質異常は血管に溜まり、プラークを形成します。その結果動脈硬化を引き起こし、最終的に脳梗塞や心筋梗塞につながります。早期に脂質異常症の治療を始めることで、危険な病気になるリスクを減らすことができます。健康診断でコレステロール値を指摘された方、心当たりが少しでもある方はお気軽に当院へお越しください。
脂質異常症の治療目標は、中性脂肪・LDLコレステロール・HDLコレステロールの数値を目標値まで改善させ、それを維持することによって「動脈硬化を進行させないこと」です。健康診断で中性脂肪やコレステロール値の異常を指摘された場合はお早めにご受診ください。早期の治療が非常に大切になります。
当院の方針としては、まず(1)〜(5)の生活習慣改善を取り組んでもらい、目標を達成できない場合には(6)の薬物療法を開始しています。ただし動脈硬化リスクの高い方(心筋梗塞や脳梗塞の既往のある方、糖尿病等の合併症のある方、家族性高コレステロール血症状の方など)は最初からお薬を開始する場合があります。
治療に関しては動脈硬化性疾患予防ガイドラインに基づいてリスク評価を行い、患者様のリスクに応じて最適な治療をご提案していきます。
(参照ブログ:脂質異常症の診断・治療)
当院は、地域のかかりつけ医として「初めて糖尿病の可能性を指摘された」患者様にも多くお越しいただいています。糖尿病の治療と聞くと「不摂生な生活を怒られるだけでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖尿病は早期から適切な治療を行うことにより、合併症の発症リスクを抑え、健康寿命(自立して活動し、健康に過ごせる期間)を延ばすことができます。
少しでも不安のある方は、当院へお気軽にお越しください。
当院ではリハビリテーション指導を通して肥満症に積極的に取り組んでいます。(心疾患のある方は保険適応での心臓リハビリテーションが可能です。)
またお薬としては、便秘薬や漢方薬などを通しての肥満治療を行います。
皮下注射も実施可能です。(自費対応)