胸のドキドキはありませんか?
”胸がドキドキする・・・” これって病気?不整脈?と心配されている方は多くいらっしゃると思います。本ブログでは心臓のドキドキについてまとめてみます。
胸のドキドキ
胸のドキドキは多くの人が感じる生理的な現象です。
- ・運動をした時
- ・緊張した時
- ・お酒を飲んだ時
- ・発熱時
- ・痛みがある時
- ・カフェインのとりすぎ
- ・なんらかの理由で体調の悪い時(ストレス、不眠、水分不足、食欲不振時など)
強い胸のドキドキ(=動悸)
ただし普段より強いドキドキを感じた時は、動悸という症状です。動悸=不整脈と考えがちですが、実はさまざまな原因があります。
動悸の原因
❶ 心臓の原因
- 不整脈
- 心不全
- 弁膜症
- 狭心症
❷ 肺の原因
- 肺高血圧症
- 肺気腫・COPD
- 肺炎
- 喘息
❸ それ以外の原因
- 貧血
- ホルモンの異常(甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、更年期障害など)
- 低血糖
- 熱中症・脱水・低栄養
- パニック障害
動悸の検査
様々な原因があるため、まず対面問診・診察にて詳しくお話をお聞きします。お一人お一人に合わせて以下の検査をお勧めさせていただきます。
1 心電図
2 レントゲン検査・CT検査
3 心エコー
4 血液検査 (貧血やホルモン値を調べます。)
5 ホルター心電図 (24時間心電図のことです。不整脈等を調べます。)
6 運動評価 (運動で不整脈がでてこないかを評価します。運動の力そのものの評価も行います。)
胸のドキドキを感じた時の対応
まずはリラックスすることが大切です。緊張やストレスが原因ということが大多数です。生理的な胸のドキドキの場合、リラックスすれば緩やかに改善してきます。
つぎに冷静に自分の脈を測ってみてください。脈がバラバラだったり、心拍数が異常に速い場合には不整脈の可能性があります。また突然頻脈が始まり、突然元に戻る場合は不整脈の可能性が高くなります。
その後に動悸以外に何か症状があるかどうか確認してください。ふらつきやめまい、胸が押さえつけられるような感覚、息苦しさ、などがある場合は不整脈以外の重篤な病気が隠れている可能性があります。
一過性でなく何度も同じ動悸が反復する場合は要注意です。早めの受診をお願い致します。また心臓や肺に問題がなくてもその他様々な原因で動悸は生じます。当院は心臓と呼吸を専門としておりますが、その他の原因も含めて対応致します。貧血が心配、甲状腺機能をチェックしてほしい、更年期障害が心配、という様々な問題に対しても丁寧に診察いたしますので、お気軽にご相談ください。
大動脈瘤に注意
これまで胸のドキドキについて述べてきましたが、胸ではなく喉の辺りやお腹でドキドキを感じた場合、大動脈瘤に注意が必要です。大動脈瘤は破裂すると死んでしまう怖い病気です。破裂するまではあまり症状がなく経過することが多く、見逃されていることが多いです。心臓ではない場所でドキドキを感じた場合には、できるだけ早めに受診してください。
*胸部大動脈瘤:喉のあたりがドキドキします。
*腹部大動脈瘤:お腹のあたりがドキドキします。手で触ると拍動を感じることもあります。
ホルター心電図のご案内
- ホルター心電図とは、入院することなく24時間心電図を記録できる検査です。
- 電極と小型の機械を体に着けて、いつも通りに過ごしていただきます。
- 解析に必要な「行動記録表」も書いていただきます。
- 当院で採用しているホルター心電図は防水でありシャワー・入浴が可能です。
ホルター心電図でわかること
1. 不整脈の有無を診断する
24時間記録するため、短時間の心電図検査では検出が難しい一過性や間欠性の不整脈を確認できます。
仕事中、食事中、睡眠時、労作時、排便時など、日常生活の動作中に発生する不整脈を確認できます。
2. 不整脈が出る状況を分析する
検査中に動悸、息切れ、めまい、失神、痙攣、胸痛などの自覚症状がみられた場合、心電図と照らし合わせて症状が不整脈によるものかどうかを診断します。
不整脈によるものであれば、その種類、頻度、開始、終了、持続などの出現状況を分析します。
3. 虚血性心疾患(狭心症)の有無を診断する
労作性狭心症、不安定狭心症、異型狭心症などの診断を行います。起床時に発生する狭心症などがわかります。
4. その他
①カテーテルアブレーション後のフォローアップ
② 薬剤使用効果の有無を判定(薬剤投与前後に検査して比較する)
③ 人工ペースメーカー植え込みの適応の判定
④ 人工ペースメーカー機能の評価
⑤ 心筋梗塞や手術後のリハビリテーションの指導や予後の判定など
*肥大型心筋症や心筋梗塞など重篤な不整脈を起こしやすいとされている基礎心疾患のある方には定期的なホルター心電図検査をお勧めさせていただきます。
ご不明点がありましたらお気軽にご相談ください。最後までお読みいただきありがとうございました。